Stack Overflowが毎年実施している開発者向けの調査「Stack Overflow Developer Survey」が公表されました。全世界の約6万5千人の開発者を対象にした大規模な調査で、開発者が使用している技術、ツール、仕事の経験などについてのデータを収集し、分析しています。
残念ながら、日本ではIT技術のトレンドが海外から数年遅れて来ることが多いですが、その分
海外を中心とした調査を見ることで、今後日本でトレンドになる技術を予測することができます。これからプログラミングを学習する就活生や新卒社員の方々は、せっかく学ぶのであればトレンドの技術を学んだ方が良いと思いますので、ぜひ参考にしてください!
良く利用され、今後も利用したいプログラミング言語
過去1年間に開発作業を行ったプログラミング言語、スクリプト言語、およびマークアップ言語と次の1年間にどの言語で作業したいか?のランキングです。ベスト10を見てみましょう。
ベスト10ランキングは2023年と変化がありませんでした。長い間人気のJavaScriptが1位です。Webシステムにおけるクライアントサイドのプログラミング言語としてはJavaScript一択なので、今後も重要な技術ですね。そのまま利用されることはもちろん、様々なWebフレームワークのベースとなっている言語なので、Webシステム開発を行うのであればしっかりと学んでおきたい言語です。
Pythonの人気も続いており3位です。サーバーサイド開発、AI開発と幅広い場面で利用されています。使いやすい言語で、私も好きな言語の1つです。これから勉強を始める人は、JavaScript + Python + SQLを抑えておけば間違いないと思います。
5位のTypeScriptは日本でも良く利用されるようになりました。JavaScriptをベースとした言語なのでまずはJavaScriptで良いと思います。
CやC++は何十年前から利用されている息の長い言語です。主に制御・組み込み系で利用される言語ですが頻繁に様々な技術が入れ替わるWeb関連技術と異なり、ずっと使い続けることが出来るので一度覚えてしまうと役立つ技術です。
良く利用され、今後も利用したいデーターベース
データベースのランキングも昨年と大きく変わりませんでした。
PostgreSQL, MySQLはオープンソースのリレーショナルデータベースです。無料で一般的なデータベースなので初心者の方が学習を始める場合はこのどちらかを選択すれば良いでしょう。
MongoDB、Redis、DynamoDB、RedisはNoSQLデータベース、Elasticsearchは全文検索やデータ分析を行うドキュメント志向のデータベースでRDMSとは少し異なるデータベースです。最近はこれらのデータベースを利用する機会も多くなってきました。
RDMSの後で良いと思いますが、余裕があればNoSQLの概念も勉強しておくと良いと思います。
良く利用され、今後も利用したいクラウドプラットフォーム
クラウドプラットフォームはAWSがダントツの1位でした。日本のシステム開発で利用されているものとしてはここまで差はなく、AWSが強いもののAzureとの差がもう少し少ないかなという印象です。Google Cloudは日本ではまだまだ利用が少ないので学習をするのであればAWSかAzureがおすすめです。
日本語での学習のしやすさでは圧倒的にAWSです。ドキュメントの豊富さ、わかりやすさも圧倒的ですし、Youtube等での公式解説動画もたくさんあります。
良く利用され、今後も利用したい開発環境
開発環境は圧倒的な差をつけてVisual Studio Code (VSCode) が1位になりました。多くの言語に対応しており、プラグインも豊富なので、とりあえずVSCodeを使っておけば間違いありません。
ランキングには入っていませんが、VSCodeをベースに開発された「Cursor」は今後注目のエディタです。AIとのペアプログラミング用に設計されたエディタで、ChatGPTを利用しています。VSCodeをベースにしているので既存ユーザーには乗り換えやすく、AIブームに乗って人気が急上昇しています。シームレスにAIと対話できるのが特徴なので、AIに興味のある方はぜひ一度利用してみてください。
以上