私は長年、IT業界でシステムエンジニアとして働いています。就活生の皆さんも同じかもしれませんが、私も初めてIT業界に就職する前は、何もわからない状態で企業を選んでいました。
しかし、様々な経験を積んだ今では、自分なりの企業選びのポイントが見えてきました。今回は、そのポイントについてお話ししたいと思います。現役エンジニアの視点から、就活サイトとは異なる視点でお伝えできればと思います。
先にポイントだけを挙げると以下になります。
新卒人気企業ランキングよりも転職人気ランキングを参考に
多くの媒体で新卒の人気ランキングが発表されており、それを参考にしている人も多いと思います。しかし、新卒の人気ランキングはイメージが先行しているため、実際の待遇や社風、将来性が良い企業かどうかは疑問があります。
それよりも、実際に業界を経験し、知識のある人が選んでいる転職の人気ランキングの方が、良い企業である可能性が高いです。転職ランキングは、実際に働いた上での理由に基づいているため、とても参考になります。視野を広げるためにも、ぜひ色々と読んでみてください。
企業によって大きな差がある福利厚生
福利厚生の充実度は企業によって大きく異なるため、非常に重要なポイントです。例えば、毎月5万円の家賃補助や社食・ランチ補助がある企業と、何もない企業では、同じ給与でも使えるお金が大きく変わります。
その他にも、出産祝い金や長期休暇制度、サークル活動補助など、さまざまな福利厚生があります。
以下に具体例を挙げます:
・家賃補助、食事補助、社食
・各種祝い金(出産、誕生日、長期勤続)、死亡弔慰金
・運動施設・フィットネスクラブの利用補助、健康診断
・企業年金、退職金、法定を超える介護休暇・介護休業制度
・研修などの学習支援、資格手当・資格
・フレックス、テレワーク、時短勤務
・カフェテリアスペース、オフィスグリコ
いかがでしょうか。上記のような福利厚生があるかないかで、大きな差が出てきますよね。中小企業と大企業では、給与以上に福利厚生で大きな差が生じます。しっかり確認しましょう。
イメージではなく現実のデータに着目する(特に離職率)
企業のサイトには良いことが多く書かれていますが、あまり当てにはなりません。それよりも、離職率、平均残業時間、有給消化率、女性の管理職割合、平均給与などの現実的な数字に注目しましょう。
特に「離職率」は最も重要なポイントです。残業が多くても楽しくてやりがいのある職場もありますし、有給消化率が高くても、取りたいときに取得できるか、長期休暇が取れるかといった点は見えません。そのため、『幸福度』や『充実度』は分かりにくいです。しかし、「離職率」はこれらの要素を総合的に反映しているため、最も信頼できる指標と思います。
良い企業の離職率の目安は?
厚生労働省が発表している資料から「新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率」を見てみましょう。
出典元:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
事業規模と離職率には相関関係があることがわかります。面白いですね。
これは推測ですが、やはり事業規模が大きくなるほど給与、福利厚生、労働環境などが良くなるたためと思います。
では、IT企業で良い企業を選ぶ際の基準ですが、新卒3年以内離職率であれば「15%以下」あたりが目安になると思います。公表していない企業もあるのでその場合は説明会や面接等で確認してみましょう。
口コミサイトの評価
企業の社風や文化を事前に知るのは非常に難しいですが、これが合わないと毎日が苦痛になるため、給与や環境以上に重要なポイントです。
社風や文化の情報源としては、OB、就活エージェント、口コミサイトなどがあります。しかし、OBは母数が少なく主観的になりやすく、就活エージェントはビジネスモデルの特性上、良い面が強調されがちです。そのため、口コミサイトが最もおすすめです。
ただし、口コミサイトは多数あり、悪い面ばかりが強調されているサイトもあるので注意が必要です。私のおすすめは「OpenWork」です。口コミの数が多く、内容も客観的なものが多いため、参考になります。私が内情に詳しい企業について確認したところ、正確な情報が記載されていましたので信頼できると思います。
以上